コラム

金融庁・財務局による保険代理店検査

2023年9月、検査通知から約1か月間に渡った金融庁・財務局による保険代理店検査での、指摘・課題事項の一例です。

(1)社内規則(規程・マニュアル)等を保険募集人に周知徹底しているとのことであるが、保険募集人ヒアリングにおいて、理解力の差がみられ、社則による募集対応が標準化されていない
(2)外貨建て保険販売の際、為替レートの変動により受取額が一時払保険料を下回るリスクがあるという損失の概要を説明すれば事足りるという認識の下での募集が散見される
(3)投資経験、取引知識等により、長期の為替相場の変動の見通しができる顧客である、又は不適当と認める顧客であるとの適合性確認の社内教育が不十分である(適合性原則違反)
(4)顧客が円で保障を求めてきたにも関わらず、外貨建て(ドル)商品の提案を行い締結しているが、意向把握シートから顧客の意向の整合性がとれない。保険募集人が長期に渡って為替リスクの説明をどれだけ行い、それを顧客がしっかり理解したと判断する基準が保険募集人毎で異なっている
(5)相続目的による生命保険の加入推奨、販売をしていながら、保険募集人の税制に関する十分な知識が見られない。また十分な社内教育体制が確保されていない
(6)直近1年間、既契約者に対して、海外金利の上昇、円安を理由に、代理店の方から外貨建て保険商品の販売推進をしているが、推定意向から意向把握、最終の意向確認の流れが不明瞭である。特定保険商品の販売においては、顧客の意向を詳細に把握、記録しておくことが適切である
以上

上記は一部の内容にしかすぎません。もはや保険代理店業界においては、「体制整備」は継続、進化されていて当たり前で、体制整備の本質である「顧客保護」「顧客本位」「顧客の利便性向上」を図る組織体制の業務運営をいかに向上させていくのか、これが現在のミニマムであることの意識が必要のようです。

※上記、被検査保険代理店は、生命保険販売を主体としており、規模は店主を含め7名(店主・営業職4名・内務職2名)の小規模であることにも留意いただきたい。