1.内部管理・監督体制(ガバナンス)をチェック
保険代理店・金融商品仲介業等の監査とは「保険代理店・金融商品仲介業等や従業員が遵守すべき規制法や内部規程等の規準に照らし、内部管理・監督体制(ガバナンス)が有効に機能しているかをチェックすること」をいう。
「内部管理・監督体制(ガバナンス)」には、企業・従業員が遵守すべき法令等の「コンプライアンス」と、健全性を確保するための機能・管理手法の「リスクマネジメント」が含まれるが、中小企業においては、「内部管理・監督体制(ガバナンス)=コンプライアンス遵守」と誤った認識で、リスクマネジメントの取組み、予見が行われていないのが実情である。
そこには、内部管理・監督体制(ガバナンス)の意味するところがわからない。という理由が隠れている。実際に外部監査の経営陣ヒアリングにおいてもこのような言葉を多く耳にしており、内部管理・監督体制(ガバナンス)が有効に機能することでの効果やメリットを理解していないが故に、監査の重要性もわからないままの経営がなされている。
しかしながら一方では、監査の重要性は理解しつつも監査の準備、対応の負担の苦労や、監査には相応の知識と経験を必要とすることから内部監査人の育成にコストと時間もかかり、本業に専念できなくなる。などの理由で悩まれている企業も少なくない。
そのような昨今、Web・リモートによる環境が日常になって以降、監査業務を外部の専門家や外部監査機関へアウトソーシングする保険代理店・金融商品仲介業等も増加傾向にあるのも実情である。アウトソーシングのメリットは、その時間を本業に専念、リソースを温存するうえでの「経営資源の有効活用」で、本業での利益が高まることもひとつである。また、昨今の金融業界は特に「顧客本位の業務運営」の実践、定着を主体に、内部管理・監督体制(ガバナンス)の高度化が求められている中で、第三者視点で専門性高い監査、客観的な評価が受けられることである。
2.内部管理・監督体制(ガバナンス)のメリット
(1)企業価値が向上する
内部管理・監督体制(ガバナンス)を強化により、不正を監視する体制が確立でき、不正や情報漏えいの予防や企業の透明性から対外的な信頼が向上し、顧客からの指示が高まる。
(2)保険代理店・金融商品仲介業等の持続的なビジネスモデルの確立と成長力を高められる
内部管理・監督体制(ガバナンス)の強化により、従業員の生産効率があがり収益力が高まる。また事業拡大の原資となる優秀な人材の獲得など、ポジティブなサイクルにより、他社との競争力、差別化が図れる。